住み継がれる木の家
「100年持つ家=長く暮らせる家」ではない。
日本の家の寿命は30年といわれています。
これは海外と比べると、とても短いものであり、家のような大きな買い物をして、その寿命は30年というのは、なんとももったいない話です。国でもこうした状況を問題化して、長期優良住宅など補助金などで寿命の長い家を増やしていく施策を進めています。
しかし、ここでひとつ問題があるのです。長寿命の家が増えていくことは、もちろんいいことなのですが、そこで長く暮らしていくために家に求められていることはなにか?ということです。
10年ひと昔というように、ライフスタイルのサイクルは意外に短く、発展がめまぐるしい現代ともなれば、それはなおさらといえるでしょう。30年もの時が過ぎると家族構成はもちろん、ライフスタイルもがらりと変わってしまいます。つまり長く暮らせる家に求められるのは50年、100年もつ耐久性と、
ライフスタイルの変化に対応していける可変性なのです。
住宅の寿命
日本の住宅の寿命は30年~80年と言われていますが、それでよいのでしょうか。
樹木が成長して住宅の素材となるのに必要な年月は、おおよそ50年から100年以上。
築千年以上の法隆寺や平等院は別格としても、築200年以上の民家はたくさん残っています。
木構造は本来とても長持ちします。
寿命が短いのは設備です。機器にもよりますが、10年から20年程度。もっと便利でよいものは次から次へと現れるでしょう。住まい方も住む人の年齢に応じて変化します。
子供部屋が必要なのは小学生から親離れするまでのせいぜい20年。
時に応じた住まい方が求められるのは、頷けます。
住まいは建てたらそれきりではありません。
半田雅俊設計事務所では、家族等の変化に合わせて間取りも変えられるようにつくります。
将来、用途が変わることもあるかもしれません。それでも魅力的な場所は生き続けます。
それが住まいの文化です。魅力的な家は資産です。築年数が増すほど価値が上がる住宅も存在します。住まいは消耗品ではありません。
木のこと
木材は人ととても相性の良い素材です。
適度な強度・保温性・調湿性があり、肌触りの良さは抜群です。
時間と共に味わいが増す美しい素材です。長い歴史の中で人間が選んできた建築材料であり、
自立循環できる優れた自然素材です。
住まいの安全性 耐震性能
大地震はいつか必ず来るでしょう。
地震を避けることはできませんが、被害は防げます。建築基準法の耐震性能は最低基準。命は守れても建物は守れない基準です。
住宅性能表示では建物も守れる基準が示されています。半田雅俊設計事務所では、命も建物も守れる基準を最低基準としています。
住まいと健康 断熱性能はどこまで必要か
断熱は省エネのためより健康のために必要です。断熱性能の良い家に住む人は断熱性能の悪い家に住む人に比べて寿命が延びるなど健康に良いことがわかっています。
断熱性能の基準は何度も改訂され、無暖房住宅も可能になりました。断熱性能を上げれば冷暖房消費エネルギーは下がりますが、建設コストは上がります。
半田雅俊設計事務所では、費用対効果をシミュレーションして、最適なレベルを確認しています。
私の居場所・家族の居場所
強い・安全・暖かい等の性能だけでは、いい家にはなりません。
大切なのは居心地。
住まいは事務所や工場のように利益を上げる場所ではありません。人の拠り所です。居心地の良さは“心も豊か”にします。嬉しい時も悲しい時もここが本当に好きと感じられる場所を造りましょう。
街並み
住まいは、個人の所有であっても街並みの一部です。家の前にシンボルツリーを植えませんか。街に綠が増えると住環境も改善します。近隣の状況を読み取りお隣のことも配慮しながら、街並みに貢献する住宅でありたいと思います。